民主党政権は、10月に法王を官邸に招けるか

民主党政権がようやく誕生したようだ。自民党はいきおいがなさすぎたが、ここまでいくとは思わなかった。そもそも日本人はすべてヒステリックに反応するのが得意であるが、この現象はどうなんでしょうか、とも思う。まあひいき目にみても、解散の会見がさすがにあれじゃあ、この結果も仕方ない。選挙をやる前から敗北しているようなもんだ。

鳩山氏は、これまでも何度もダライ・ラマ法王と会見をもっている。これで総理になったのであれば、やはり官邸にダライ・ラマ法王をお招きして頂きたい。変な外タレとかわけのわからんおっさんを官邸に招いても意味がない。今回国民の政権交代への期待は大きかった。と同時に我々チベット支援者の期待も忘れないで欲しい。

先月もダライ・ラマ法王の誕生日の時に枝野議員が「チベットを支援する人は民主党に入れてほしい」とお願いしていた。人の誕生日会で選挙演説する品のなさと図々しさにはさすがに政治家だなと驚いたが、牧野聖修さんや五十嵐文彦さんという日本でチベット問題を考える議員連盟をやっている中心人物がやっと国会に復帰してくれて、今度は与党になったのである。

みなさんには600万人のチベットの人々の希望を叶えるという使命がある。初志貫徹してほしい。10月には法王は来日する。衆議院で法王が演説することを私は望んでいる。日本はいつまでもうこそこそしないで欲しい。

別に高速道路を無料にするのを実現できなくてもいい。ただ、ダライ・ラマ法王を官邸に招いて欲しい。名目は何でもいい、「友達」「ノーベル平和賞受賞者」いろいろ肩書きはいっぱいある。あんなに素晴らしい法王が「日本の政治家の立場もありますから」と遠慮深く会見で答えなければならない姿はもう見たくない。そしてそれを見ていて悲しい顔をするチベット人たちを見たくない。

民主党も与党になったら急にチベット問題はできないとはいわないで欲しい。新しい政権というのは新しい先例を作ることが大事である。 今日はそんな思いをする夏の終りであった。

http://www.hatoyama.gr.jp/journal/heart002.pdf

無銭乗車客チベット語、Snow Leopard列車で再出発

漸く本日MacOS X Snow Leopard が28日より発売されることが発表となった。http://www.apple.com/jp/macosx/

MacOS X Snow Leopardは現行のLeopardの大幅なチューンアップを加え、昨年よりデベロッパに配布され数多くのベータテストを経て、ようやく出航となった。特に今回の注目すべき点は、64BITへのコードの書き直しや、古いAPIからの新しいフレームワークへの完全な移行など、見た目は殆ど一緒であるが、内部的には大幅なチューンアップが加えられた。これまで新しいビルドがでるたびに自分のマシンにインストールし、思いっきりバグが沢山あるなかでテストしてきた者としては、誠に感慨ぶかい。

我々チベット語環境の開発チームでも、前回のLeopardの発表の時のような「世界初」「日本初」というような衝撃的な出来事ではないが、iPhoneの発売で遅れたLeopardのチベット語システムフォントにバグがあったことに気づいた時から、いつバグフィックスがソフトウェアアップデートで反映されるのかと待ち望んできたのだが、漸くその時がやってきた。チベット語を使っている人は必ずSnow Leopardにアップデートして欲しい。何故ならばLeopardのKailasaには致命的なバグがあったからである。

詳しくは機密保持の問題があるので、ここではかけないがひとつだけ書いておきたいことがある。

それはまずはMacOS Xで使用されているApple Advanced Typographyの仕様を使ってレンダリングを行っているチベット語は、ウィンドウズのOpenTypeのその機能よりもはるかにスピードがはやく、また非常に高機能であるということである。いまだそんなフォントを開発する人はいないが、たとえば日本語の続け文字や変体仮名などのフォントだって本当は開発できるのである。

その技術はこのzapfinoフォントを見れば一目瞭然であるが、たとえばKokonorでསོ་སོའི་སྐྱེས་བུ་と入力したり、བློའི་ཡུལ་དུ་བྱར་རུང་བ་とかརྒྱ་མཚོའི་ཆུ་と入力した時の母音のナローの動きを観てもらえばその秘密をかいま見ることができるのである。Kailasaは元々のデザインは福田先生のものであるので、そのようなわざとらしい動きは見た目には気づかないようにできているが、Kokonorについてはその動きを味わっていただき「おお」と思ってもらえば開発者の狙うところなのである。

Leopard以降にバンドルされているKokonorは昔Tibetan Language KitとしてMac OS System 7.5に対応する時にデザインしたタイプフェイス(実はチベット語をはじめて勉強しながらこのフォントを作ったのが最初である)であるが、内部コードとしては全く別物である。そしてSnow Leopard では完全にバグ部分が修正してあるので、とても安心である。チベット語がMacに実装されるようになった経緯はそのうちゆっくり明かしたいが、なぜLeopard以降、今日までほんの少しのバグでさえソフトウェアアップデートに乗らなかったのか、その理由をちょっとだけ明かしておきたい。

Appleにとってみれば、チベット語のフォントやキーボードというのは、電車にただで乗ろうとする厄介な客のようなものである。これはどういうことかといえば、チベット語が実装されているということがMacという高級で高価なコンピュータを買おうとすることに何ら役にたたないということである。オペレーティングシステムには他のいろいろな機能を載せることが大事であり、アップルのようにハードとOSとが一体化したコンピュータを販売しているメーカーにとってみれば、その他の機能こそが、切符を買って電車に乗っているお客様なのである。なので様々な問題が発生すればあなたはただ乗りしているのですぐにおりてください、とも言われかねない状況なのである。だから我々はまだお客が少ないうちからこっそりと、ここに乗りますね、と小さな声でOSの片隅に乗っかるしかないわけである。ソフトウェアアップデートというのは途中で停車する駅のようなものであり、その駅で優先的に乗り降りする人(つまりアップデートされるソフトウェア)はあくまでも切符をちゃんと買った乗客なのである。だから我々のようなチベット語は、その時には乗り降りできない(アップデートされない)場合が多いということになるのである。

Leopardの時にはちょっと忘れ物を取りに行っている隙に列車は出発してしまったので、乗り遅れてしまったが、Snow Leopardにはちゃんと忘れ物を取りに行った上で、この無銭乗車の乗客を出発させることができた。また、64BIT化、ATSUIからCoreTextへの移行が進むことはチベット語にとって有利な条件だらけである。PhotoshopなどはいまだにCocoa Applicationのフレームワークをかなり逸脱しているが、もっとサクサク動くアプリもどんどんでている。

Leopard号に乗ったチベット語は、すべてのマックでチベットのニュースを閲覧することを可能にした。期をせずして2008年3月のラサでの弾圧以来、ものすごい量のユニコードチベット語テキストがネットにあふれかえってきた。

http://googleblog.blogspot.com/2008/05/moving-to-unicode-51.html

Leopard号に乗らなかったら、この数年間マックでは中国がブロックするようなチベット語ニュースをチェックできなかっただろう。自分のやった仕事が世に役に立っていると思えるとても幸せな瞬間である。

Snow Leopard号に乗ったチベット語は、また新しい土地に連れて行ってくれる。そしてこの瞬間から一刻もはやく次の列車にはやく乗るための追い込みに入らなければいけない。明日からはちょっとスピードアップして、あのやさしいこっそり乗せてくれる車掌さんたちのために、なるべくかけこみ乗車をするべく頑張りたいと思うのが、今日のSnow Leopardの発売ニュースである。

チベット学研究は何のためにあるのか

長年考えたこともなかったわではないが、いまさらながらこんな問いかけをしてみたい。それは必要とされているのか否か。趣味か否か。プロかアマか。いろいろと小手先のことをやってそれらしく見せかけることはできるが、よくよく考えてみるとそもそもこの問いかけこそがタブーであった。

先日某大学のある方が「チベットの研究なんてもうからないことはやめた方がいいよ」と言われて極めて憤慨した。しかし、これは残念ながらあたっている。我々研究者というのはこの問いかけこそしたことがあるが、いつも自分で自分をごまかしてきたのである。

そもそも我々は「チベット研究者」としては求められていないのである。誠に残念だが仕方がない。要するにそれは一生人々から必要とされることもないし、趣味でしかないし、お金も充分もらえることはない。いまだ儲かったことは一度も無いし、損失は並大抵ではない。「ハンコック」を観て、これだねと思ってしまった。だがハンコックとの違いは我々はスーパーヒーローではなく、そのヒーローの言葉を日本語にしているブルーカラーでもない、はたからみると不労者っぽい単なる作業員でしかないことである。

チベットのお寺を派手にやっているように見えるかも知れないが、実は毎月赤字で、自分で自分をいろいろな会社に派遣して、でかせぎをして嫁には生活費をしぶりつつなんとかやってきた。おかげで高校を卒業して貧乏学生をやっていた時とほぼ同じ生活レベルでしかない。

先輩の偉い先生方も、結構ぶらぶらやっているのがこの業界である。

じゃあなんでやるんでしょうかね、と言われたら、やはりこう答えるしかない。それは「面白いから」「本物だから」「すごいから」単にそれだけだ。

最近禁酒してこんつめて仕事をしているなかで、久々にビールを一本飲むとかなり酔って来た。支離滅裂な品のない記事になってきたので、まあこの位で今日はやめて寝るとしよう。