Last Updated: 2007.09.28

『絶望から立ち直る方法を教えてください』

昨年のダライ・ラマ法王、ツツ大主教、ベティ・ウィリアムズ女史による広島国際平和会議2006の議事録をリミックスしたバージョン、『絶望から立ち直る方法を教えてください』(アスペクト)が出版されました。たったの1,260円(牛丼大盛3杯より安い)ですので、みなさん是非買ってください。

ひさびさにブログに書きます。このところ何をしていたかというと、本4冊とDVD6本という大量な仕事をこなすため、毎日徹夜続きで、死にそうな状態でした。そのうち2/3くらいがやっと終わったところ。今年は学会発表もできないし、何もでできません。

実はこの本、かなり入れ込んで作りました。私の個人的な経験や友人たちの話、ダライ・ラマ法王やチベットに興味をもっている人、平和運動などをしている人たち、悩みを抱えている人、恋愛で失敗して落ち込んでいる人、そんな人とのやりとりの中、何がみんなに必要なのか、それを考えて作った渾身の一作です。すべての人に読んで欲しい本です。

この本は、質問+答えという形式になっています。この答えの部分は三人の巨匠が語ってくれたメッセージです。質問の部分は実はふだん誰しもが考えていたりするような内容になっていますが、それに対する答えの部分で意外な答えがでてきます。

こんなスタイルは、実はむかしはパンチェン・ラマやグンタン・リンポチェが煩悩との葛藤を対話形式で書いたものなどを参考にして作ったものです。つまり質問部分で質問しているのは、我々の「煩悩」であったり「悪魔のささやき」なわけですね。そんな声をことばにできたのも、私が「煩悩に満ち溢れた人間」だし「悪魔のささやき」にいつも惑わされている人間だからでしょう。

妻が曰く「あなたはいっつもこっちの素晴らしいメッセージの間逆の人間じゃん」といわれました。私が「いい人」だったり「仏教の教えで人間のできた人間」であったらこんな本は作れなかっただろう思います。

最近精神世界系の本やいろいろ「癒し」のメッセージと称した本が沢山ありますが、私が断言できるのは、

「これこそがスピリチュアルの巨匠が語る究極の癒しのメッセージ」

だってことです。

この本は、自殺したいと思うくらい落ち込んでいても、死んでも恨んでやる、と思っている人でも、本をゆっくり読んでその内容をきちんと理解して、毎日心のリハビリを行なえば、きっと本を読み終わるころには、あなたも「世界平和に貢献する平和の使徒」になれるでしょう。

今年もダライ・ラマ法王が来られます。そこで、去年の責任者としての私からひとこと。

「ダライ・ラマに癒されたい」「ダライ・ラマと会いたい」「ダライ・ラマと握手したい」「‥‥したい」「‥‥したい」「‥‥したい」「‥‥したい」「‥‥したい」の受動系の人! まずはこの本を読んでください。ここにあなたの求めている答えがあります。

NGO/NPO、ボランティア活動をやりながら心が逆に荒んだ人、文句ばかりいわないで、この本を読んでください。彼らは決してあきらめません。彼らを見習いましょう。彼らがここまでやってこれたのは、決してあきらめないからです。

マスコミのみなさん、〜学者、〜ジャーナリストのみなさん、自殺や日本の核武装とかいじめ問題とか、バカな質問やいつも同じ質問をしたい人たち、そんなにお墨付きの独占インタビューが聞きたいですか?ここに書いて有ることがすべてです。これ以上のことはありません。ぼくは私財を投げ出した「ボランティア」でしたし、法王も「ボランティア」です。みなさんはそれが「仕事」です。お給料ももらっているのでしょう。何か特別なことを期待するくらいなら、もっと日頃からチベットと中国の対話を推進できるような記事や文章を書いてください。何で彼らがノーベル平和賞をとっているのか、本当に考えたことがありますか?それがみなさんの「仕事」なんです。

ダライ・ラマと握手しても、サインをもらっても、ツーショットを撮っても何も意味はありません。そんなことよりもダライ・ラマたちが望んでいる「願い」を叶えること、ダライ・ラマたちが教えている「教え」を実践することの方がよっぽど大切ではないでしょうか。

ダライ・ラマ法王は「ラマ」なんです。「ラマ」というのは教えを教えてくれる人です。大事なのは「教え」です。法王が来日するからって、普段よりも煩悩をはたらかせてどうするんですか。それは法王の教えとはまるっきり逆のことをやっていることです。

昨年もそんなこんなで側にいた私としては「おいおい、日本人どうなんだい」と恥ずかしくなりました。法王が日本人に対する期待は、実はほかの国の人たちよりもはるかに重い期待をしています。日本は法王が最初に外遊した場所でもありますし、近代文明と伝統文明とが両立している素晴らしい見本だと思っているそうです。そんな風に思ってもらって日本人は光栄なんですよ。是非とも期待を裏切らないようにしたいもんですね。