Last Updated: 2006.08.29

文化と宗教

この下らない日本では「宗教」と名が付くものはあまりにも見下されている。特に文化レベルの低い私の住んでいる広島では宗教と文化は異なると思っている頭のおかしい人が沢山いる。

言葉を正確に使うのならば、宗教は人間のもつ文化のひとつである。普遍と特殊という関係に喩えるのならば、宗教は文化の特殊概念であり、文化は宗教の普遍概念である。

したがって、宗教であり、なおかつ文化であるものは有り得る。たとえば仏教がそれである。しかしいまの日本ではどうだ。文化と宗教はあたかも対立概念のように扱われている。

ダライ・ラマ法王はチベットの宗教者であるのか、チベット文化の象徴であるのか、政治家なのかという下らない問いがあたかもあたりまえかの如く、説かれるのである。

ダライ・ラマ法王はチベットの元国王である。それは宗教者であり、文化の象徴であり、政治のリーダーでもある。それがチベットという国家の特徴なのである。そんなあたりまえのことが日本人には理解できなくなっている。そんなことも分からずにただ「ノーベル平和賞」とか「有名」というだけで寄ってくる人たちに、ダライ・ラマ法王のお話が理解できるだろうか。