ラサで起こった中国軍によるチベット人への非人道的な大量虐殺は、幸い日本のメディアでも大きなニュースとして取り上げられている。
このような事件が起こるのには原因があり、それはこれまであまりにも中国政府が一方的なひどい圧政を繰り返していることにほかならない。メディアは今回何人死亡者がでたのかやっきになって調べているようだが、実はこれまでに殺された人々の数を考えればものの数ではない。
しかしこの一連の事件を見ているときに、一番がっかりしたことがある。
それは私たちが支えている、この日本政府のことだ。
ラサにいる日本人の保護を日本政府は中国当局にお願いしたそうだ。中国にとってはいやな面もあってもチベット人たちは自国の国民である。その自国の国民を装甲車で踏み殺して平気な顔をしている国家に、「でも日本人だけは助けてあげてね」とでもいったのだろうか。まずは自分たちで彼らを何とかしようとか思わなかったのだろうか。
我が国のこの問題に対する立場としては、「関係者の冷静な対応」「早期にかつ平和裡に沈静化すること」を願っているらしい。もちろん、このこと自体は悪いことではないが、そもそもこれができていればこんな事件は起こるはずはないのである。これができないからこそ、こんな事件が絶えず起こっているのである。そんなこともわからないのだろうか。抜本的な解決がなくして、こうした問題が解決することはあり得ない。
最近福田政権になってから親中政策が続いている。餃子に毒をもられても、チベットで大量虐殺が行われていても、チベット人大虐殺の張本人である胡主席のご来日と新たな日中平和友好条約を結ぶことの方が大切らしい。
チベットは大国の経済戦略、アジアでの覇権争いのなかで国を失い、路頭に迷ってしまった。そして人々はいまもなお殺され続けている。そして何とも悲しいかな、我々日本政府はそんな状況をいまでも繰り返して、罪もない「自国民」に銃口を向け続けている国となかよくしたいと思っているのである。